雑学ノート

雑多なメモ。


  • 2017/04/16 作成
  • 2017/05/04 更新
  • 2017/06/25 更新
  • 2017/06/26 更新

Contents


概略

個人用ダストシュート。

他のサイトにも書いてあるけどまとめておきたい、ということを書き留めておく場所。

2017/04/16

複写用紙の仕組み

「ノーカーボン紙」、「感圧紙」などと呼ばれて、主に青い字が写るアレだが、青色の字が写る面に顕色剤、その向かいにある面に染料が入ったマイクロカプセルが塗布してあるらしい。圧力をかけるとカプセルが弾けて染料が顕色剤と化学反応を起こして顕色するらしい。化学反応といっても、フェノールフタレイン溶液と同じでpHによって色が変わるロイコ染料を使い、酸性の顕色剤に接触すると分子の構造が変化して発色するという仕組みだとか。染料を変えれば青色以外もイケるらしい。

ちなみに、消せるボールペンもロイコ染料を使っていて、温度の変化で分子の構造が変化するため摩擦熱で色が消える。

オスの三毛猫が希少な理由

黒・茶・白の3色の猫=三毛猫は、ほとんどがメスでありオスは非常に少ない。猫はデフォルトで白色。X染色体に「黒」とか「茶」とかの色情報が乗っかっていたら、その色に染まる。X染色体を2つ持つメス(XX)は3色になれるが、X染色体を1つしか持たないオス(XY)は2色までにしか染まれない。オスでも染色体異常でXXYとかになっていれば3色になれるが、ごくまれにしか生まれない。

ウーパールーパーが溶ける!?

ウーパールーパーことメキシコサンショウウオは、細菌が付着してエラなどが溶けることがあるらしい。

一応、サンショウウオなのでデフォルトでは一般的なサンショウウオの色をしている。よく飼育されている白いやつはアルビノである。

真果と偽果

普段「果物」と呼んでいるものの可食部は子房とは限らない。子房が肥大して熟した果実は真果、それ以外が肥大し熟して果実上になったものは偽果と呼ばれる。ふつうの果物、たとえば、カキ、モモ、ウメ、サクランボ、柑橘類、トマト、ナス、ピーマン、エンドウ、…は真果である。

偽果は以下のような例があるらしい。

  • リンゴ・ナシ → ナシ状果。花床が肥大して可食部となっている。実際の果実はいわゆる芯の部分で、肥大した花床に包まれている。
  • イチゴ → イチゴ状果。花床が肥大して可食部となっている。実際の果実は表面の粒々(痩果)。
  • キュウリ、スイカ、カボチャ、メロン → ウリ状果。子房に花托の組織が癒合してできている。
  • イチジク → イチジク状果。肥大した花托が本体で、花が実の内側に付いている。つまり可食部は花托と花。
  • パイナップル → 150個程度の花托が癒合して1つの「実」になる。

ちなみに、花床は1つの花をつける場合には花托とも呼ばれる。

2017/04/22

trans-

trans- は「~を越えた」「~を通って」「~の向こう側に」「~の反対側に」「~の外側に」を意味する接頭辞。

まずは読んで字のごとく感が溢れる簡単なもの。この種の単語は無数に存在する。

  • transcontinental 【形】大陸の向こう側へ, 大陸横断の
  • transmarine 【形】海を横断する, 海外の
  • transpolar 【形】北極 (南極) を横断する
  • trans‐Caucasian 【形】コーカサスの向こうの
  • transparent 【形】透明な、透き通った

次に、見ればまあ分かる感じのものを。

  • transcribe 【動】書き写す
  • transfigure 【動】形を変える
  • transform 【動】変形する, 変化する
  • translate 【動】翻訳する, 変換する, 移動する

そして、よく混同するアレコレ。

  • transfer 【動】運ぶ, 移す, 転送する
  • transit 【名】運送, 移り変わり
  • transition 【名】推移, 遷移
  • transmit 【動】送る
  • transport 【動】輸送する

番外編。

  • transact 【動】行なう, 処理する
  • transaction 【名】処理, 取り扱い,取引, 売買, トランザクション(=分けることのできない一連の情報処理の単位)
  • transcend 【動】越える, 超越する
  • transfix 【動】突き刺す, 刺し貫く
  • transistor 【名】トランジスタ。transfer:伝達 + resistor:抵抗 の造語。
  • transponder 【名】トランスポンダ。TRANSmitter(送信機)とresPONDER(応答機)からの合成語。地上からの電波を受信し,増幅して異なった周波数で再び送信する中継器。

2017/05/04

ジャガイモ、サツマイモ、タマネギ、ユリの根、…は根か茎か

という話題が上がったので整理しておく。

  • 基本情報:
    1. 根なら側根が生えているが、茎ならヒゲは生えていない。
    2. 茎は日が当たると葉緑体ができて緑色になるが、根は放置しても緑色にならない。
    • 根:ダイコン、サツマイモ、ニンジン、ゴボウ
    • 茎:ジャガイモ、ショウガ、アスパラガス、セロリ
  • 【理科】根?茎?野菜の見分け方|ベネッセ教育情報サイト

根菜の類は、パッと見は地面の中の根みたいなところを食べるので「根菜」などと呼ばれているが、地下茎かもしれない。ユリの根は地下鱗茎という分類で、茎といってもごく短い茎の周りに葉が厚く着いたもの。

タマネギも鱗茎。可食部はほぼ葉。

てかこのサイト面白いね。

超臨界とプラズマの違い

中学・高校で習うはずの「物質の三態」では、固体・液体・気体のほかに「超臨界」というものを習う。p-Tグラフにはこの4つの状態が一気に書かれるので、第4の状態として解釈することもできる。

ところが、大学の理工系学部では(Fラン大学でなければ)第4の状態として「プラズマ」というものを習う。ここで、今まで第4の状態として解釈してきた超臨界と、新しく第4の状態として解釈されるべきプラズマとが頭の中でこんがらがってしまう人がいる(このサイトの管理人がその一人)。

完全に専門外なので知らなくても全く支障はなかったが、知らないまま放置するのもモヤモヤするので、違いを書き記しておく。

超臨界状態とは、液体と気体との区別がつかなくなった状態です。 水分子自体はその構造をとどめており、水そのものです。 ただ、水分子と水分子の間の結びつきや相互作用が液体や気体の状態とは異なっているだけです。

一方、プラズマとは、分子から電子がはぎ取られ、イオン化した状態で空間上に気体のように存在しているものです。 身近なところでは、蛍光灯の内部は水銀ガスがプラズマとなっています。 なのでプラズマの説明としても、原子の構造がばらばらになるというのはちょっとひどいと思います。

2017/05/26

ボルボックスは動ける

中学校1年生で習うであろう微生物。その中に「ミドリムシ」というのがいて、こいつは「光合成できて、かつ鞭毛を使って動ける」と教科書やら資料集やらに明記してある。

じゃあ、光合成できる微生物として教科書に掲載されている微生物のうち、動けるのはミドリムシだけだろうか?

答えはNOである。実は「ボルボックス」も動けるのだそうだ。

じゃあ何で教科書等にはそういう記述がなされないのか?それは私には分からない。

2017/06/25

道管はなぜ茎の内側?なぜ葉の表側?

そういうもんだと思って何も不思議に思ってこなかったが、言われてみると何故なのかは知らない。

気になったのでググると、こんなことが多くのCQAサイトに記述されている。

水のほうが大切だからです。(中略)水が通っている道管を内側にして、守る方がよいということになるのですね。

道管を通る水の方が師管を通る養分の補給よりも大切だからです。

しかし、他にもあんな事やこんな事が…。まとめると、次のようなことがあちらこちらに書いてあった。

  • 道管は師管に比べて損傷時の影響が大きいため (人間の動脈を引き合いに出した記述もある)
  • 気孔から離れた内側の方が乾燥に強いから (葉の表側に道管が位置していることとも矛盾しない)
  • 氷河期等の低温環境で道管の凍結を防ぐため
  • 師管を通る栄養分を昆虫などが吸いやすくするために師管が外側になっているから
  • 道管は死んだ組織なので、茎の外側にあると植物の肥大成長を阻害するから
  • 道管は死んだ組織なので、内部を死んだ組織にして植物の生命維持に必要なエネルギーを低減している

これらの記述は果たして正しいのだろうか…?

そもそも、必ずしも維管束の内側に道管があるとは限らないらしい。道管(木部)が内側のよくある維管束は並立維管束と呼ばれる。他に、道管が外側で師管が内側になっているものや、一方が他方に包まれているものなど、多種多様らしい。でもやっぱり並立維管束が一番多いらしい。

いろいろ読んでみると、何が正しいのか少しわかった気がする。

結局、以下が正解みたい。

高等植物の維管束組織は、道管を含む木部組織、師管を含む師部組織、そして形成層からなる複合組織です。 形成層は成長の過程で木部組織と師部組織を作り出します。さて、高等植物では確かに、形成層をはさんで内側に木部、外側に師部が配置されている並立型が最も一般的ですが、内側から師部・ 形成層・木部・形成層・師部という配置(副並立型)や木部が師部を取り囲む配置(外木包囲型)などの例外も見受けられます。

並立型が多く見られる理由は実のところよくわかっていませんが、茎の肥大成長(茎が太くなること)と関連があるのかもしれません。数多くの植物の若い茎では並立型の維管束が円筒状に配置し ていますが、成熟すると維管束の間にも形成層(維管束間形成層)が作れら、外側から師部・形成層・木部がリング状に連続した構造を取るようになります。そして、形成層から連続的に内側に木部、外側に師部が作られることで茎が肥大成長します。道管や木部繊維などの木部の細胞の多くは成熟すると死細胞になりますので、もし木部が外側に配置していると肥大成長には不都合だと考えられます

葉脈で表側が道管(木部)で裏側が師管(師部)になっているのは、茎の維管束との連続性を考えると理解できます。葉脈は節(茎と葉の接続部)から下のほうに伸びて節の下側で茎の維管束とつながっています。したがって葉脈の表側が茎に入ると内側(木部側)になり、葉脈の裏側が茎の外側(師部側)になります。

 出村 拓(理化学研究所)

あれ?葉で道管が表側になっている理由ってそれだけ?と思って調べたが、やはりこれ以上の情報は出てこなかった。

孔辺細胞に葉緑体があって、表皮細胞に葉緑体がないのは何故?

その辺の資料集とかを見ると、たぶん「気孔をつくる孔辺細胞には葉緑体があるが、その他の表皮には葉緑体がない」という感じの記述があるはず。でも、これって何故?

なんだか葉の表面の方が日光を効率よく受け取れそうな気がするのに表皮細胞には葉緑体がない。で、葉の裏に多い気孔では光合成しづらいはずなのに、そこには葉緑体がある。何で?

2004年の記述:

孔辺細胞は、気孔を開閉させるために形が変形します。これは、細胞内の浸透圧が変化することで吸水し、たわむのです。孔辺細胞は細胞壁の厚さは均等ではなく、厚い部分と薄い部分があり、吸水により薄い部分のほうへ向けてよく膨らむ結果、細胞がたわみ、結果的に気孔が開くのです。 そして、この浸透圧の変化を生じさせる大元が、葉緑体です。葉緑体の光合成によって合成されたグルコースにより、孔辺細胞の浸透圧が上昇するのです。

と、ここまではやや古典的の高校生物の孔辺細胞と葉緑体の関係です。

最近で気孔のの開閉にK+や青色光が関与しているとの知見もあり、開閉のエネルギーを得るため葉緑体があるとも言われています

最近は研究が進むあまり、かえって謎が謎を呼んでいるようです。

2011年の記述:

実は、孔辺細胞に存在する葉緑体の役割は、議論の真っ最中であり、よくわかっていません

2つの説を例に挙げると

1: 孔辺細胞の形を変形させるため。 孔辺細胞は、気孔の開閉のために形が変化しますが、これは細胞内の浸透圧が変化することで吸水し、たわむ事で起こります。 この浸透圧の変化を生じさせる要因が、葉緑体です。 葉緑体の光合成によって合成されたグルコースにより、孔辺細胞の浸透圧が上昇するのです。

2: 気孔の開閉にK+や青色光が関与しているため。 開閉のエネルギーを得るため葉緑体があるとも言われています。これについてはかなり難しい話ですが、様は光を受容して、開けるか閉じるか決めていて、さらにそのエネルギーを葉緑体からの直接変換で得ている、という話です。

2012年の記述 (JSPPサイエンスアドバイザー 浅田 浩二 氏の回答):

孔辺細胞にある葉緑体は、気孔を開くために必要なカリウム・イオンを孔辺細胞に運び込むのに必要なエネルギーを生産する役割をもち、CO2固定によって光合成産物を生産する機能は余り重要ではありません。

太陽光を最もよく受けることのできる葉の表側の表皮細胞になぜ葉緑体がないか?については、多細胞生物に見られる表皮細胞の多くの役割が葉の組織でも必要なためでしょう。葉の組織では、両側の表皮細胞に挟まれた葉肉細胞に葉緑体がありますが、もし、表皮細胞がなければ、葉肉細胞にある葉緑体は、外界の物理的、化学的、生物的ストレスを直接に受けるようになります。大切な光合成装置である葉緑体が表皮細胞にあれば、傷を受けたり、雨水でぬれたり、砂埃による害、せっかく合成した光合成産物が昆虫によって食べられる、病菌感染などによる障害を受けやすくなります。これはヒトで皮膚の役割を考えれば想像できると思います。特殊な場合を除き、表皮細胞には色素の含量は少なく、表皮細胞によって太陽光は余り遮られないようなっています。いくつかの植物では表皮細胞に光合成に有効でないばかりでなく光合成を阻害する紫外線を吸収してしまう成分の多い場合もあります。これはヒトの皮膚で紫外線によって日焼けなどが生じないようにする、化粧品のサンスクリーンと同じと考えてよいでしょう。

では、気孔が、なぜ、大部分の植物で葉の裏側の表皮細胞にあるのか?は、当然考えられることですが、葉の表側の方が、裏側に比べ、上に述べたいろんなストレスを受けやすいためと思われます。雨が降れば葉の表側は水に濡れ、気孔を通してのガス交換がスムーズに進行しないなど、いろんなことが考えられます。孔辺細胞の葉緑体は光合成よりも気孔の開閉に役立っていますが、これは余り照度の高い光を必要としないため、葉の裏側にあっても、植物にとって余り不利にはならないと考えられます。

2015年の記述 (大学大学院・理学研究院 島崎 研一郎 先生の回答):

孔辺細胞葉緑体の働きは昔から研究されていますが、明確な答えは得られていません。おそらく、複数の働きを持つからだと考えられます。それを、以下に箇条書きにします。

1) 上にお書きのように、光エネルギーを用いてATPを合成し、気孔開口に必要な物質輸送に利用するというものです。この働きの存在は確かで、孔辺細胞にはH+-ATPaseというATPを加水分解して開口の駆動力を形成する酵素が、細胞膜にあります。この酵素は気孔開口に必要なK+を細胞内にとりこませます。ATPがH+-ATPaseで消費されるには、葉緑体から細胞質に運び出される必要がありますが、孔辺細胞葉緑体はこの経路を発達させています。この考えに一致して、気孔開口は光合成に有効な光によって促進されます。

2) 気孔開口にはK+のほかにリンゴ酸が必要です(K+の正電荷とリンゴ酸の負電荷が釣り合います)。リンゴ酸の一部は光合成電子伝達系から還元力をもらい葉緑体の中で合成されます。ここでも葉緑体が働きます。しかし、大部分のリンゴ酸は細胞質で合成されます。このとき、葉緑体内の澱粉が分解され、リンゴ酸合成の材料になります。澱粉は葉緑体で合成されるか、外部から輸送されてきた産物が合成、蓄積されたものです。

3) 孔辺細胞葉緑体が気孔開口に働く明確な例は、ホウライシダ(Adiantum)と言う植物で得られています。この植物の表皮に光をあてると気孔が良く開きます。そこに同時に、光合成電子伝達をとめるDCMU という薬物を入れておくと、開口が完全に止まります。(しかし、同様な実験をツユクサやソラマメで行うと、部分的に阻害するにとどまります。)

つまり、葉緑体は気孔開口に必要なATPの供給と澱粉の蓄積を行っているというのが答えです。

「孔辺細胞の葉緑体ではグルコースの合成は行われていないのでしょうか」と問われていますが、グルコースは葉緑体内でも合成されますが、つくられても別の物質に代謝され、気孔開口への直接的関与は少ないと考えられています。

「ので」 vs. 「の」+「で」

「ので」はこれで1つの接続助詞だと思っていたが、「の」「で」で分けるんだという主張もあるらしいので真相を確かめた。

接続助詞の「ので」は《準体助詞「の」+格助詞「で」から》できた語で、1単語の接続助詞として、原因・理由などを表します。1単語の活用のない助詞ですから、「のだ」という形に変わったりはしません。

これに対し、連語の「ので」は、《準体助詞「の」+断定の助動詞「だ」の連用形》で、単語としては2単語です。「…のもので、…のことで」の意を表します。

「ので」には接続助詞と連語の2つが存在する、というのが答え。

品詞 構成 意味 用例
接続助詞 準体助詞「の」
+格助詞「で」
原因・理由 「辛い物を食べた《ので》、のどが渇いた」
「盆地な《ので》、夏は暑い」
連語 準体助詞「の」
+断定の助動詞「だ」の連用形
…のもので、
…のことで
「これは僕《ので》、君のはそっちのほうだ」
「僕がしかられた《ので》、君には関係のない事だ」
「まもなく台風が来る《ので》ある」
「多くの年月を過ごした《ので》ございました」

普段多く使っているのは接続助詞の方である。こちらに入るものはすべて、《ので》の前後が因果関係あるいはそれに類する関係で結ばれている。一方で連語の方は、「~(の)もので」「~ということで」と言い換えられる。

  • 「これは僕のもので、君のはそっちのほうだ」
  • 「僕がしかられたものであって、君には関係のない事だ」
  • 「まもなく台風が来るということである」
  • 「多くの年月を過ごしたということでございました」

2017/06/26

摩擦力の原因

高校で摩擦力を習ったとき、その原因を以下のように習った。

例えば床上の物体を引っ張ると、物体と床とが接している面では、物体と床が分子レベルでたわんでいる。このたわみの反発力が摩擦の正体である。

しかし、調べてみるとこれは原因のすべてを説明しているわけではなく、直感的に覚えるための「たとえ話」のようなものに過ぎないということがわかった。

摩擦力は、2つの面の間の凝着の発生と破壊によるものと、柔らかい材質側を変形させる力によるもの両方が関係していると思われる。摩擦係数は、金属どうしで0.4ぐらいであるが、固体潤滑材(2硫化モリブデン・グラファイト)では、0.2程度まで低下する。固体潤滑材は、きわめて壊れやすい構造をもった材料であることが、摩擦力の低減に有効である。 摩擦力の発生の背景にはクーロン力というものがある。概念的には次の様なことである。 物体と面の間に摩擦力が起きるとき、明らかに物体と面は接触している。この物体を構成しているのは何万個もの原子であり、また物体と接触している部分の面も原子で構成されている。これらの物体の原子と面の原子同士がお互いにクーロン力によって引っ張り合う。これが摩擦力及び静止摩擦力を引き起こす原因である。また、物体が動き出すのは、このクーロン力が切れてしまうからである。このことから動いている物体と面の間に働く摩擦力は常に一定だということが分かる。――という見方もあるが、摩擦力がクーロン力のよい事例であるかどうかは疑問である。 定性的には、2種類の金属間のいわゆる乾燥摩擦状態での、摩擦係数を比較する実験からは、原子間距離の近い金属の組合せの摩擦係数が大きいなどの結果がある。 なお、クーロンの摩擦法則は、現在の科学技術レベルから見ると、「限られた範囲でのみ成立する経験則」と理解するのが無難である。ハードディスクドライブのメディアなど、極端に平滑な表面では上の (2) は成り立たないし、比較的狭い速度範囲でも (4) が成り立たない(従って (1) も成り立たない)のは良く経験される事実である。

誰もが知っている摩擦であるが,実はその微視的な機構に関しては不明な点が多く,未だに経験則によってしか理解できていないことも多い.例えば,静止摩擦係数は時間とともに増大し,その増大のしかたが時間の対数に線形であることが知られている.つまり,接触させてから1秒経過したときの静止摩擦係数をa,10秒経ったときをa+Δとすると,100秒後や1000秒後の静止摩擦係数はa+2Δやa+3Δとなる.また,動摩擦係数は速度に微妙に依存し,動かす速度を急に上げると瞬間的に摩擦が増加し,その後じわじわと低下する,という挙動を示す(つまり,速度に依存する定数の項に,指数関数的な減衰項が足されたような状況になる).